昨日、2018年度診療報酬改定の答申が出されました。
急性期病院にとってのメイン項目の一つは、入院料1~7を分ける基準となる重症度、医療看護必要度だと思います。
今回は、従来通り看護師等が評価を実施する「必要度Ⅰ」と、EFファイルなどの診療実績データによって計測する「必要度Ⅱ」に分かれました。
今回、総-1参考2で厚労省がシミュレーションで使用した省内マスタも公開されていますので、それを用いて院内シミュレーションをすでに実施されている病院が多いと思います。弊社にも、すでにシミュレーションの依頼を多く頂戴しております。
ただ、今回公開されたマスタは従来の評価方法と乖離がある部分が多く、可能性は低いですが変更もあるえるのではと踏んでいます。
たとえば、
・A項目「点滴ライン同時3本以上」の中に「中心静脈注射」があります。これまで救命救急やICUでなければこの項目で得点することはあまり多くなかったのですが、CVカテ入っていれば取れることになります。
・A項目「免疫抑制剤の管理」は、現状では「自己免疫疾患の患者に対する治療、または臓器移植を実施した患者に対して、拒絶反応防止の目的で免疫抑制剤が使用されていた場合」に限り得点できることとなっていますが、このマスタ通り得点できることになるとかなり得点される症例が増えると思います。
・A項目「抗血栓塞栓薬の持続点滴の使用」は、「点滴」に限り得点できることとなっていますが、マスタ内には5ccや10ccなどのシリンジ入りヘパリンもあり、このような薬剤はCVカテなどのカテーテルロックに使用使用されることも多いため、従来の評価方法と乖離が生じると思われます。
ざっと見ただけでも、上記のような点で従来との差が大きく生じる要素があります。
マスタがそのままであれば、不必要なCVカテ挿入やカテーテルロックでのヘパリン濫用のようなモラルハザードも怒るのではと危惧します。
すでに必要度Ⅰ、Ⅱそれぞれの基準値が公開になってしまっている以上可能性は低いですが、もしかすると変更となるかもしれません・・・
今後、他の項目についても改定の内容やその影響について、現場目線でより深く考察していきたいと思います。
|